今回は、キーボード担当の人は自分用のモニタースピーカーを持参する事について書いていこうと思います。
キーボード担当の人は、バンド練習・セッションやライブなどで「自分の弾いてる音が聴こえない」という事は多々ありません?自分は結構あります。
自分の弾いてる音が聴こえないってとても致命的で、特にリズムなんかはボロボロになります。
その他だと、演奏の強弱がうまく付いてるのか分からず、とにかくフルパワーで弾いちゃうとか、機械慣れしてない人だと音色切替が出来てないまま演奏したりとかもあるんじゃないかな…。
そんな音が聴こえない現象、要因はいくつかあります。
(ギタリストの悪口みたいになってますが、そうではないです!)
モニタースピーカー自体の問題
- スタジオやライブハウスによってはモニタースピーカーが少ない事があります。
モニタースピーカーが少ないと、キーボード担当よりボーカル担当へのモニターを重視したり、その他のパートの人のモニタリングと併用したりと、なかなか自分用に音を向ける事が出来ないです。 - 特にライブハウスにあると思うけど、モニタースピーカーのがヘタっていて、パワーがあまり出ない事もあります。自分の真後ろがギターアンプだったりベースアンプだったりすると、十分なモニタリングが出来ない事も…。
- モニタースピーカーに限らず、スピーカーが十分に足りなくて、自分がお客として聴いていても、客席の前列、中央、後列。左、中央、右。で、音の聴こえ方が大きく変わるライブハウスもあります。
位置によって音の聴こえ方が変わるのはライブならではだけど、聴こえなくなるのはちょっとね~。。。
PAさんの問題
- ライブやセッションなど、音量調整をPAさんが行う場合、PAさんの調整次第で自分の音は全く聴こえなくなります。
PAさんの力量にも依存はするけど、それよりももっとPAさんと会話する事が良いです。
一番最初に箱入りして、PAさんの音量調整をどういう感覚でやっているのか、過去に音が聴こえなくて困った、など、ざっくばらんに話をしてみると、色々教えてくれる人もいます。
なんでもかんでもPAさんのせいにするのではなく、こちらから歩み寄る事も大事!
他楽器の音量・帯域の問題
- 特にギターさんかな…。前に出たがる人は多いと思うし、前に出るべき楽器だとは思うんだけど、他の楽器を無視して爆音で鳴らしまくる人もいます。その結果、モニターから聴こえる音はごく僅か。。。スタジオ練習の時からハウりやすい人は、音量のバランスをかなり無視しています。
とはいえ、「ちょっと音量でかいから下げてほしい」と言ってもケンカになるからやめたほうがいいです。音量でかいのが分かってる人は言わずとも下げているから。特にツインギターになると、そもそもツインギター同士のバランス自体が難しいし、2名とも前に出たがりだともうお手上げです。 - 帯域もギターさんと干渉する事が多いです。
ベースの音が低域、ギターが中域~高域となるのが多いと思うけど、低音大好き!ってギターさんだとベースの帯域まで割り込んできます。
そうじゃないギターさんでも、中域~高域ってキーボードの音とかなり被ります。
音量もそうですが、周りの音を聴かない人はイコライザの調整=ギターさんが気持ちよく聴こえる音に設定してるケースも多々あるんじゃないかな。ギターには目立ってほしいけど、複数人で演奏するわけなので、出るとこ・引くとこは考えてほしいなぁと思ったりします。(もちろんギタリスト全員がそうじゃないですよ!)
位置的な問題
- キーボードってショルキーを除けば、定位置での演奏になります。
ドラムも定位置という意味では同条件だけど、1点違う点があります。
ドラムはライブハウスだったりスタジオに常設されていて、その位置がほぼ決まっているのに対して、キーボードは「ベースやギター、ボーカルの邪魔にならないところ」で演奏する事になりがちです。 - スタジオやライブハウスが広ければその問題も解消されるとは思うけど、広くない場合にはこんな事が起きます。
- キーボードの真横がドラム(しかもクラッシュシンバルが近くにあるとか…)
どうしても広さ的に改善余地がない場合は、耳栓が必須です!マジで耳がぶっ壊れます。 - キーボードの真横・真後ろがギターやベースのアンプ
後ろにアンプがある事は当たり前だったりするけど、ホントに背中とくっつくくらい真後ろになっちゃう事もあります。 - モニタースピーカーと遠かったり、向きが適切じゃない
ライブハウスやスタジオに非があるわけではなく、単に演者の位置が悪いってだけ。
ただ、それでもどうしようもない時はあります。調整しつくしても根本の位置が悪ければ十分なモニタリングは出来ないです。
- キーボードの真横がドラム(しかもクラッシュシンバルが近くにあるとか…)
解決策
もう自分用のモニタースピーカーを用意する!ってのが一番です。
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- 常設のモニタースピーカーの問題?
→ 自分で用意すればどうという事はない - PAさんの問題?
→ 自分で調節すればどうという事はない - 位置的な問題?
→ 自分で用意すればどうという事はない! - 音量や帯域の問題?
→ 自分で用意すれば聴こえやすい環境は作れる!
(とはいえ、本当はメンバー同士でしっかり音作りは話したい)
- 常設のモニタースピーカーの問題?
とはいえ、荷物が増えます。重いです。
ただ、自分用のモニタースピーカーがあると、少なくとも物理的な要因は解消されます。
その結果、荷物が増え、重かろうがモニタースピーカーを持ち歩くようになったし、むしろ筋トレにすら思えます。
そう、キーボードは演奏中にあまり動けないのでもっと運動しないといけないんです!
っていうのは半分冗談で、実際にスタジオ練習・バンドでのライブ、セッションライブで使ってきて、段違いに音が聴こえやすくなりました。
もちろん周りの音(特にベース・ドラム)は聴こえるよう調整しているので、周りの音に気遣いながら演奏出来ます。
イヤホンを使うって人もいたけど、周りの音が聴こえづらくなる気がします。
(イヤモニを導入してるバンドだったらイヤモニが確実でしょう!)
どのモニタースピーカーを選ぶか?
小さくて手頃な価格を3つ挙げてみました。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / MoniOne PAスピーカー
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/211224/
■出力:125W(RMS)、150W(PEAK)
■サイズ:幅29.0x高さ21.5x奥行17.0cm
■重量:2.8kg
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- とにかく安い!(15000円くらい)
- 小さくて軽い!(自分は登山用のリュックに入れて運んでます)
BEHRINGER ( ベリンガー ) / B205D EUROLIVE パワードスピーカー
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/152429/
■出力:125W(RMS)、150W(PEAK)
■サイズ:幅29x高さ19x奥行17cm
■重量:約3.20kg
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- MoniOneに匹敵する安さ!(20000円くらい)
- MoniOneより少し小さく、少し重い…(小さいほうが助かる人はこっちかな)
- マイクスタンドに取り付け可能(MoniOneにある機能はほぼ付いてます)
MACKIE ( マッキー ) / SRM150 パワードスピーカー
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/127126/
■最大出力:150W
■寸法:28.4(W)x20.3(H)x17.3(D)cm
■重量:3.4kg
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- 多少高くなるけど音質にこだわるなら…(約30000円)
- MoniOneやB205Dよりも多少大きく、重くはなります。
上記3つに共通しているのは、下記。
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- 前面に2つのコンボジャック搭載。
そのうちの1つはファンタム電源利用可能で、マイクも使える。 - EQもLow、Mid、Highの3バンド搭載。
- マイクスタンドにマウントしての利用も可能。
- 背面に入力端子、出力端子があり、複数設置も可。
- 前面に2つのコンボジャック搭載。
ちなみに自分は、クラシックプロのMoniOneを使ってます。
音質が良ければそのほうが良いと思うんですが、しっかり聴こえる事と、持ち運びしやすい事が大事だし、実際に使ってみないとこういうのって良さが分からないんですよ。
まずは安価なものを導入して、その効果が実感出来て、もっと良い音質にしたかったり、パワーが欲しかったりすれば、買い足せば良いと思います。
(余った分はドラマー用のモニターにも使えますし…)
自分は特にマイクスタンドにマウントせずに床に置いちゃってます。
音量は状況にもよるけど、ボリュームのツマミを6時~9時くらいまで回してます。
スタジオでは6時、ライブで周りが爆音の場合は9時といった感じです。
それでも十分聴こえているし、音量的には今のところ不満はなしです!
最初は旅行用のスーツケースにMoniOneを入れて、キーボードは背負って持ち運んでたんですが、自分のキーボードは76鍵盤…。高さのせいでお店の入り口とかですごい気を遣うので、今では登山用のリュックにMoniOneを入れて、キーボードはカートに乗せて移動させています。
最後に
割と安価に自分用のスピーカーが手に入るので、持ち運びの工夫さえしてしまえばモニタリングがめっちゃ楽になります。
スタジオ練習時は気にしなくてもいいんですが、ライブハウスに持ち運ぶ時は事前に持参するリストにしっかり書いておく事と、スタッフさんやPAさんにも持参のスピーカーを使うよ!って事を伝えておくと、トラブルも少なくなるんじゃないかな?と思います。
キーボーディストさんで、自分の音が聴こえづらい…って人は是非使ってみてほしいです!
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